Franz Peter Schubert
Der Tod und das Mädchen Op.7-3 D.531
Matthias Claudius, 1740-1815
マティアス・クラウディウス 作詞
1817年、バスかアルトのための作品として、1821年に出版されました。
少女と死神の対話の形で書かれたわずか8行の詩を歌詞としています。
前半は不安におののく少女の心を、後半はやさしい死の誘いを描き、死は恐ろしいものではなく、安らかな憩いに導くものとしてとらえています。
ハンガリーの貴族でシューベルト歌曲の詩人でもあるルイ・セーチェニ伯爵に献呈されました。
1824年に作られた弦楽四重奏曲ニ短調、第二楽章の変奏曲のテーマにこの曲の主題(伴奏部分)が用いられています。
<ドイツ語歌詞> | <日本語歌詞> |
(Das Mädchen) | (乙女) |
Vorüber! ach, vorüber! | 去りね とくとく |
geh, wilder Knochenmann! | 黄泉の神よ |
Ich bin noch jung, geh, Lieber! | 乙女のわれを |
und rühre mich nicht an, | ゆるしたまえ |
und rühre mich nicht an. | ゆるしたまえ |
(Der Tod) | (死) |
とくこよ きよき乙女 | |
bin Freund und komme nicht zu strafen. | |
Sei gutes Muts! ich bin nicht wild, | こころをしずめて |
sollst sanft in meinen Armen schlafen! | わが腕にねむれや |
《直訳》
(乙女)
ああ あっちへ あっちへ行って
野蛮な死神よ
わたしはまだ若いのよ だからおまえは行って
わたしに触れないで!
(死)
美しく繊細な創造物であるおまえよ 手をお出し
わたしはおまえの友だちであって 罰するために来たのではない
機嫌をお直し! わたしは乱暴ではない
わたしの腕のなかで穏やかにねむりなさい