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『優しい愛 (御身を愛す)』歌詞と解説(作曲:ルートヴィヒ・バン・ベートーヴェン)

WoO.123 「Zärtliche Liebe」    Ludwig van Beethoven

 

 <ドイツ語歌詞>  <日本語歌詞>
イッヒ リーベ ディッヒ ゾー ヴィー ドゥ ミッヒ
Ich liebe dich, so wie du mich,
 愛する思いは
アム アーベント ウント アム モルゲン
am Abend und am Morgen,
 朝夕たえず
ノッホ ヴァール カイン ターク ヴォー ドゥー ウント イッヒ
noch war kein Tag, wo du und ich
 ふたつの心は
ニヒト  タイルテン ウンズレ ゾルゲン
nicht teilten unsre Sorgen.
 離るる日なし

アウホ ヴァーレン ズィー フュル ディッヒ ウント ミッヒ
Auch waren sie für dich und mich
 なやみも涙も
ゲタイルト ライヒト ツー エルトラーゲン
geteilt leicht zu ertragen;
 互いになぐさめ
ドゥー トレーシュテスト イム クンメル ミッヒ
du tröstetest im Kummer mich,
 憂きも楽しきも
イッヒ ヴァイント イン ダイネ
ich weint in deine,
 ともにわかたん
イン ダイネ クラーゲン
in deine Klagen.
 君とともに

ドルム  ゴッテス ゼーゲン ユーベル ディール
Drum Gottes Segen über dir,
 いとおしの君よ
ドゥー マイネス レーベンス フロイデ
du meines Lebens Freude,
 まごころ愛でて
ゴット シュッツェ ディッヒ エルハルト ディッヒ ミール
Gott schütze dich, erhalt dich mir,
 御神(みかみ)は君をば
シュッツ ウント エルハルト ウンス バイデ
schütz und erhalt uns beide,
 護りたまわめ
ゴット シュッツェ ディッヒ エルハルト ディッヒ ミール
Gott schütze dich, erhalt dich mir,
 御神はわれらを
シュッツ ウント エルハルト ウンス バイデ
schütz und erhalt uns beide,
 恵みたまわめ
エルハルト エルハルト ウンス バイデ エルハルト ウンス バイデ
erhalt, erhalt uns beide, erhalt uns beide!
 恵みたまわめ われらを

 


《直訳》

きみを愛す きみがぼくを愛すように 夕べに朝に
一日として きみとぼく ふたりが憂いを分かちあわないときはなかった

そんな憂いも ふたりで分かちあえば 耐え忍ぶのはやさしいことだった
わが悲しみには きみが慰めとなり きみが嘆きに ぼくは泣いた

それゆえ 神の祝福はきみにありますように 我がいのちの喜びであるきみよ
神よ きみを守り ぼくのそばに置いてくださいますように
我ら二人を守り 支えてくださいますように

解説

どちらかというと、冒頭の歌詞の 「Ich liebe dich(御身を愛す または きみを愛す)」 のタイトルで知られています。
出版は1803年ですが、作曲時期ははっきりせず、1795年頃、1797年頃、または1803年と諸説ありますが定かではありません。
詩はカール・フリードリヒ・ヘルロゼー(Herrosee ヘローゼ?)の 《やさしき愛》 第2節から。
ベートーベンは自らの歌曲に作品としての価値を重く置いていなかったのか、生前に出版された大半のものに作品番号をつけていませんが、 この曲は優しく清澄な美しさにあふれた旋律でよく知られています。

※ WoO.(Werke ohne Opuszahl 作品番号なし)は1955年にキンスキーとハルムによって編集された作品目録の番号です。

 

ベートーベンについて

 

楽聖と称えられるベートーベンは、1770年12月の16日か17日、ドイツのボンで生まれました。
幼いころから過酷ともいえる音楽教育を受け、非凡な才能を開花させましたが、家庭的には恵まれず、ベートーベンの家族関係は最後まで彼を悩ませ続けることになります。

26才ぐらいのときから耳が聞こえづらくなり、体調不良、貧困など苦難が襲うなか、それらを克服して次々と作品を発表していきます。だからこそ、彼の作品には心打たれるものが多いのかもしれません。

有名な作品に、ピアノソナタ 「悲愴」 「月光」 「熱情」 や、 ピアノ独奏曲 「エリーゼのために」、「運命が、かく扉を叩くのだ」 と語った第五交響曲 『運命』、第六交響曲 『田園』 などがあります。

奇数番号の交響曲は壮大で重量感があり、偶数番号のものは軽く明るい作品が多いようです。

生涯独身であったベートーベンが手紙で不滅の恋人と呼んだのは誰か、さまざまな説が浮上しているものの、現在も確証はなく、謎のままです。

1827年3月26日午後5時45分、激しい雷鳴と吹雪のなか、ウィーンで亡くなりました。死の間近でいった 「諸君、拍手したまえ、劇は終わった!」 という言葉が有名です。