芸能の雑学・豆知識

テレビ・映画や、音楽、舞台・劇場、芸能人についての雑学・うんちく・豆知識・トリビアを集めたサイトです。気になった記事や文章を個人のメモとして投稿しています

『24の前奏曲 作品28 第15番 変二長調《雨だれ》』解説(作曲 フレデリック・フランソワ・ショパン)

この曲は一般に「雨だれ」と呼ばれる有名な曲です。

作曲者のショパンは、1838年(28歳)に、ショパンの最後の恋人ジョルジュ・サンド(女流作家)と地中海の孤島「マジョルカ島」へ転地療養に行っていた時に作りました。表向きはショパンの転地療養でしたが、パリの社交界ではサンドとの関係が噂になり始めたので、恋の逃避行?ともいわれています。


この曲が「雨だれ」と呼ばれるのは、途切れなく続く伴奏の変イ音が雨だれのように聴こえてくるからでしょう。中間部は、より激しく降りしきる雨を感じさせます。


ただ、「雨だれ」というタイトルはショパン自身が命名したのではありません。ショパンは自分の作品には、すべて「ワルツ」「練習曲」「マズルカ」という一般名称しかつけなかったそうです。

ショパンがピアノを弾いている音と、雨だれが軒下からしたたり落ちる音とが微妙に調和していた、とサンドが書いていることから生まれた通称である、とか他にも諸説あります。


いずれにしても、このときのショパンの健康状態は悪化の一途をたどり陰うつな雨が毎日降り続く中で作ったことは間違いないようです。

時期は10月ですので寂しい秋の長雨。

特に、暗くて重々しい中間部は、ショパンの死への恐怖心(知らず知らずに悪魔が忍び寄ってくる)を垣間見るようだ、との説もあります。


私は、メロディの美しさ、明るさはこれから夏に向かう6月の雨を感じます。どんなに激しく降り続いてもいつか必ず上がり、いつの間にか柔らかい光が差し込んでくる・・・ような。

 

この24曲の調性は、第1番からハ長調→イ短調→ト長調→ホ短調・・と、長調と短調(平行調)が5度圏を上がって行き、全部の調を一周します。(調の種類は合計24個)

ショパンは、24曲を1836年頃(諸説有)から作り始め、数曲をマジョルカ島で作曲し、1939年に初版されました。

前奏曲とは、プレリュードともいい、19世紀には独立した技巧的小品の楽曲を指しています。ショパンの他、ドビュッシーやフォーレも前奏曲集を書いています。

いわゆる前奏(=イントロ)としての前奏曲は、17世紀の礼拝等のオルガン音楽に多くの楽曲があります。

また、この24の前奏曲中の第7番(イ長調)は、日本では太田胃散という薬のCMに使われ大変有名です。

 

▲画像は、ショパンとサンドがマジョルカ島で最初に借りたソン・ヴァン荘(風の家)と呼ばれる一軒家。サンドの息子モーリスが描いた(一部)。

のちに二人は郊外の高台にあるヴァルデモーザの古い空き家の僧院に移った。